祝賀会や新年会といったイベントでは、司会進行が重要な役目を担います。催しの出来・不出来は、司会者の腕前に左右されるのです。そんな重要な司会進行を任されたら、自分の役割を認識した上で当日に備えることが肝要。司会進行の役割や事前準備、注意点などを詳しく解説します。

司会進行の役割とは?

マイクを持つ司会者

宴会の司会進行に抜擢されたら、まず確認したいのが自分の担う役割です。司会進行にはどのような役割があるのか、詳しく見ていきましょう。

司会者はイベントの進行役

司会進行の主な役割は、イベント(宴会)をつつがなく進行すること。催しの趣旨を参加者に説明し、会が滞りなく進むように案内するのが主な仕事です。

進行役である司会者は、宴会のタイムスケジュールを把握していなければなりません。当日の雰囲気によっては多少の時間調整を行う場合がありますが、催しの終了時間だけはきっちり守るようにしましょう。

ムードメーカーとしての役割も重要

司会者には、宴会の雰囲気を盛り上げるムードメーカーとしての役割もあります。ムードメーカーといっても、芸能人のように振る舞う必要はありません。以下の点を守るだけで、宴会の雰囲気は盛り上がります。

  • ハキハキした声を出す
  • 身振り手振りをつけて話す
  • 柔和な笑顔で話す

上記3点の中でも、ハキハキした声はとくに重要です。司会者は、ひと声で参加者の注意を引かなければなりません。お酒の入る宴会では、時間の経過とともに雰囲気が雑然とします。司会進行を行う際は、雑談に割って入るぐらいの気持ちで声を出しましょう。

司会進行の事前準備

会社員の男女

宴会の司会進行役は会の当日だけ頑張ればよい、というわけではありません。むしろ頑張るべきは、当日までの事前準備です。司会進行役に求められる、宴会の事前準備を見ていきましょう。

幹事との打ち合わせは綿密に

宴会の司会進行役に選ばれた人は、幹事と綿密な打ち合わせを行う必要があります。幹事とは、宴会の取りまとめ役のこと。参加者の募集や会場予約などは、幹事が担当します。司会者が表に立つガイド役なら、幹事は企画を練る裏方です。

タイムスケジュールはもとより、会場の雰囲気や参加者数など、司会者が幹事と共有すべき情報は少なくありません。宴会の司会者に選ばれたら、なるべく多くの情報を幹事に提供してもらいましょう。可能であれば、会場の下見にも同行してください。

シナリオを作成する

宴会のプログラムが決まっていない場合は、幹事の行うシナリオ作りに参加させてもらいましょう。シナリオ作成に参加することにより、宴会当日の流れをつかみやすくなります。

会社で行う宴会は、司会者の挨拶ではじまり、締めくくりも司会者が担います。以下の大まかな流れを意識して、テンポのよいシナリオを作成してください。

  1. 開会・司会者の挨拶
  2. 役職者の挨拶(最上位の役職者が行う)
  3. 乾杯(上から3番目の役職者が行う)
  4. 食事と歓談
  5. 余興やゲーム
  6. 食事と歓談
  7. 閉会の挨拶(上から2番目の役職者が行う)
  8. 二次会の案内

上記の流れの中に、お心付けの紹介や新入社員の紹介などが入る場合もあります。具体的なシナリオが決まったら、司会者の挨拶・セリフ作りに入りましょう。

司会者の挨拶・セリフを決める

宴会における司会者の挨拶やセリフは、さほど多くありません。以下にあげる文例を参考にして、簡潔な挨拶・セリフを作ってみてください。

開会の挨拶

「本日はお忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。お待たせいたしました。これより、○○を開催いたします。本日の司会進行を担当させていただきます○○と申します。」

役職者の挨拶

「会のはじめに○○より、ひとことご挨拶をいただきます。○○よろしくお願いいたします。」

乾杯

「それでは乾杯のご発声を○○よりいただきます。みなさま、お手元にグラスをご用意ください。」

食事と歓談

「それでは、しばらくお食事とご歓談をお楽しみください。」

余興やゲーム

「お待たせいたしました。これより出し物をお楽しみいただきたいと思います。トップバッターは○○課のみなさんです。暖かい拍手をお願いします。」

閉会の挨拶

「宴もたけなわではございますが、お時間が迫ってまいりました。締めの挨拶を○○にお願いいたします。」

閉会の挨拶〜二次会の案内

「本日はご多忙の中、お集まりいただき誠にありがとうございました。この辺で○○をお開きにさせていただきます。なお、二次会の席を○○に予約しております。ぜひご参加ください。」

いよいよ本番!当日の注意点をチェック

打ち合わせをする男女

念入りに準備を進めても、本番の司会進行が終わるまでは気を抜けません。宴会の当日に注意すべき点をチェックしておきましょう。

会場入りは早めに

宴会の当日は、早めに会場入りしましょう。会場の従業員や関係者への挨拶、幹事との打ち合わせなど、宴会当日にやるべきことは多数あります。開宴直前にあわてずに済むように、余裕をもって行動しましょう。

名前や役職名の間違いに注意

宴会の司会進行で気をつけたいのが、名前や役職名の言い間違いです。宴会の挨拶やスピーチは、トップクラスの上司にお願いすることがほとんど。名前・役職名を間違えると失礼に値しますし、司会者自身の評価に影響しかねません。

名前に関しては、漢字が簡単であっても台本にふりがなを振っておいたほうが賢明です。たとえば「谷川」という名字には、「たにかわ」と「たにがわ」という読み方があります。こうした濁点の有無も間違えないように、台本に正確なふりがなを振っておきましょう。

役職名については、宴会当日までに人事異動が行われないか確認してください。急な人事異動があった場合は、台本の役職名を修正しましょう。

本番前に緊張した場合の対処法

どれだけ宴会に向けて準備を整えても、本番前になると緊張してしまうものです。司会本番前に緊張した場合は、以下の3ステップで対処してみてください。

  1. 心の中で「緊張している」と繰り返し唱える
  2. 緊張は自然なことだと受け入れる
  3. ポジティブなイメージをもつ

緊張をほぐすには、まず心の状態を認知することが肝要。心の中で「今、緊張している」と何度も唱えると、自然に気持ちが落ち着きます。

続けて、「本番前に緊張するのは自然なことだ」と、緊張を受け入れましょう。最後に「今まで準備や練習をしっかり進めたから大丈夫だ!」と、ポジティブなイメージをもちます。以上の3ステップで緊張を静めたら、本番に向けて集中しましょう。

早めの準備が司会進行を成功させる

司会進行の出来は、事前準備でほぼ決まります。宴会までに期間がある場合も、早めの準備をはじめましょう。早めの準備は心の余裕を生み、本番の成功率を高めます。今回解説した内容を参考にして、ぜひ司会進行の大役を勤め上げてください。