社内イベントの企画を任されたとき、悩ましいのが「イベントの内容」ですよね。社員みんなが楽しめるイベントにしたいとはいえ、単なるお楽しみ会で終わらせるわけにもいきません。そこで今回は、企画前にチェックしておきたい社内イベントの目的や効果について解説していきます。

社内イベントは何のため?まずは目的を設定しよう

有意義な社内イベントを企画

企画担当者になると、最初にイベントの内容についてあれこれ考えてしまいがちですが、その前に社内イベントを開催する目的を考えることが大切です。

明確な目的があると企画しやすい

一口に社内イベントと言っても、お花見や運動会、研修、社員旅行など方向性は多岐にわたります。企画の方向性を絞るには、まず以下について検討しましょう。

  • 何のために社内イベントを開催するのか
  • 社内イベントを通してどんなことを達成したいのか

最初に目的・目標を決めておけば、そぐわない内容は除外されるので企画が立てやすくなりますし、企画の軸ができることで参加してもらう社員にも説明しやすくなります。

自社の課題を洗い出してみよう

社内イベントの目的を考えるにあたっては、自社の課題を洗い出してみるのもおすすめです。たとえば、「社内に活気がない」「離職率が高い」といった課題がある場合、突きつめると社員同士の日常的なコミュニケーション不足に要因があるかもしれません。それが社内イベント開催の目的となるのです。

会社の課題というと、売上や利益といった業績面に目が向きやすいです。でも、もう一歩踏み込んで考察していくと、社内の雰囲気や社員一人ひとりのモチベーション・マインドに要因が見出せる可能性があります。有意義なイベントにするためにも、自社が解決すべき問題点を探ってみましょう。

社内イベントが会社・社員にもたらす効果とは

有意義な社内イベントを企画

社内イベントは会社や社員に良い変化をもたらしてくれます。得られる効果はイベントの内容によっても異なりますが、主なものをご紹介しましょう。

部署の垣根を越えたコミュニケーションの活性化

社員同士が交流できるようなイベントを開催すると、職場のコミュニケーションが増えて業務にも好影響が期待できます。

たとえば、普段は事務的なやりとりしかしない関連部署の人と交流し、性格や個性を知ることができれば、イベント後はお互いに話しやすくなるでしょう。そうすれば、業務に役立つプラスαの情報交換などもしやすくなり、業務効率アップにつながります。

一人ひとりの社員が優秀でも、社員同士のコミュニケーションが希薄だと相乗効果は生まれません。社内イベントは、社員同士の信頼感や一体感を高める可能性を秘めているのです。

社員のモチベーションを高める

有意義な社内イベントは、社員のやる気やモチベーションアップにも役立ちます。日々の業務に追われている社員は、ともすると徐々に目標を見失ったり、仕事に対して後ろ向きの気持ちになったりします。

そのような状態を放置していると、生産性の低下のみならず離職・転職にもつながる可能性があるので、社内イベントを通して社員のマインドに働きかけることは有効です。

会社への愛着心・帰属意識を高める

イベント内容によっては、会社に対する愛着心や帰属意識を高めるという作用も期待できます。毎日同じ人と顔を合わせ、自分に与えられた仕事をこなしていると、徐々に視野が狭くなったりマンネリ化したりして、愛社精神のようなものが薄れてしまう場合があります。

でも、会社の理念や目標を共有できるような社内イベントがあれば、自分の仕事をより大きな視点でとらえることができ、「この会社で働く意味」や「自分の仕事の位置づけ」を再認識することにつながります。イベントで社員が一堂に会することも、帰属意識の向上に役立つでしょう。

ジャンル別企画案のメリット・デメリット

有意義な社内イベントを企画

では、具体的にどのようなイベントが有効なのでしょうか。ここでは5つのジャンル別に企画案をご紹介し、期待できる効果やメリット・デメリットをご説明していきます。

参加しやすい親睦会系

社員同士の親睦が深められる以下のようなイベントは、職場のコミュニケーション活性化に効果的です。

  • 忘年会・新年会
  • バーベキュー
  • お花見
  • ハロウィンパーティ
  • クリスマスパーティ

親睦会系イベントは気軽に参加しやすいですし、幹事の負担も比較的少ないので、社内イベントに慣れていない会社でも実施しやすいです。

ただし、席次や班分けなどで工夫をしないと部署の垣根を越えた交流は生まれにくく、ただのお楽しみ会で終わってしまうので企画時は注意が必要です。

連帯感が生まれる運動系

みんなで体を動かして汗を流す運動系のイベントは、連帯感・一体感を生み出します。

  • 運動会
  • ボーリング大会
  • 卓球大会
  • 綱引き大会
  • バレーボール大会

チーム対抗戦にすれば、おのずとチーム内のコミュニケーションが増えて団結力が高まりますし、イベント自体も盛り上がります。

ただし、運動が苦手な社員はあまり楽しめないかもしれません。球技などのスポーツ系は得手・不得手の差があるので、種目は慎重に検討しましょう。

業務に役立つスキルアップ系

社員一人ひとりの仕事の質を高めたい場合は、以下のようなスキルアップ系のイベントが有効です。

  • 討論イベント/グループワーク
  • 接客スキル研修
  • プレゼンテクニック研修
  • コンプライアンス研修

外部から講師を招くことで、より専門的なスキルや知識を身につけることができます。座学メインだと受け身になり当事者意識が薄れてしまうため、参加型の実践的なワークショップ形式にするのがおすすめです。

社員の意識を高めるモチベーションアップ系

社員の意識・マインドを変えたい場合は、やる気やモチベーションを刺激する以下のようなイベントが良いでしょう。

  • 表彰イベント
  • 周年記念イベント

高い成果を出した社員を表彰するイベントは、その社員のモチベーションをさらに高めるのはもちろん、「自分もがんばって表彰されたい」とほかの社員のやる気を引き出す効果も期待できます。

また、創立10周年記念イベントのように会社の節目に企業式典を開催すると、社員の帰属意識や一体感が向上するはずです。

ただし、この種のイベントは一方的に話を聞くだけになりやすいところが注意点です。うまく社員を巻き込んだイベントになるよう検討しましょう。

究極の社内イベント?社員旅行系

究極の社内イベントとも言えるのが社員旅行です。社員旅行は社員同士のコミュニケーション活性化はもちろん、職場とは違いリラックスした雰囲気の上司や他部署の人に親近感・信頼感をもてる機会にもなります。旅行先でちょっとしたレクリエーションを取り入れれば、さらに団結力が深まるでしょう。

とはいえ、社員旅行は幹事の負担が大きいですし、家庭の事情で参加できない人もいます。泊まりがけのイベントは実行ハードルが高いので、日帰りバスツアーのような企画もおすすめです。

課題解決につながる社内イベントを企画しよう

社内イベントを企画する際は、最初に目的を明確にすることがとても重要です。何のために実施するイベントなのかがはっきりしていれば、筋の通った企画立案ができますし、自社の課題解決にもつながります。

ご紹介したイベントの方向性を参考にしながら、ぜひ有意義な社内イベントを企画してください。